泣きながらでも 「今泣いている人々は幸いである。あなたがたは笑うようになる」 ルカ福音書 6・ 21

2025/02/15

幸せ

2025年2月16日 顕現後第6主日

    James Tissot.  Jesus Wept.18861896. Brooklyn Museum.

イエスさまの幸せについての教えです。貧困と飢え、悲しみと迫害にある人は幸せになる。逆に裕福で満腹で、笑っていて、皆から褒められる人は不幸せになると。

そしてイエスさまの幸せのリストの前で「私はどんな幸せ、または不幸せを受けるのか」と考えてしまいます。今ある程度幸せだから不幸せになるんだろうか。またはその逆で、不幸せだから幸せを受けるんだろうか、と。

しかし大切なのはこの教えは癒しを求める群衆を前に、主イエスさまが「弟子たちを見て言われた」ということです。群衆はこの世の人々を、弟子達は私たち教会を表しています。

ここで私たちはただの幸せの享受者ではありません。不幸せでも主イエスさまに従っていく弟子です。受け身ではなく能動的に主の道を選び取っていく主人公です。社会の現実描写ではなく、現実はそうであっても、今ここでの弟子としての生き方への呼びかけなのです。

今幸せでも、不幸せでも、それでも主イエスさまに付いていく。今貧しくて、飢えていて、悲しくて、泣いていても、それでも、泣きながらでも、主のあとについていく。「ついて来い」と主イエスさまが呼んでおられるのです。今は想像できなくても、私に付いてくるなら、必ず笑うようになるから、と。

そして私たち弟子の師匠はイエスさまです。何も持たずに私たちのために死んだイエスさまも貧しく、飢え、泣きながらでも、父のあとについていかれました。死んでいかれました。そうして復活という新しい命に笑い合う幸せを実現されました。この世のどんな幸せ/不幸せをも超える幸せ、神の国を実現されました。

詩編126編はこう歌います。「涙のうちに種まく人は、喜びのうちに刈り取る。種を手に涙を流して出て行く人は、束を抱え喜びに溢れて帰って来る。」これはイエスさまの姿であり、イエスさまのあとに付いていく私たちの姿です。どれだけ悲しみの家で心が沈んでいても、それでも主に付いて出て行き「涙のうちに種をまく」。「種を手に涙を流し」ていても、主について「出て行く」。現実を生きる。そうすれば、主は約束されます、「喜びのうちに刈り取る」、「束を抱え喜びに溢れて帰って来る!」

この世で幸せではないときこそ、聖餐式に来て、主の声に耳を澄ませ、主のあとに付いていこう。涙を流しながらでもいい、主の御体を食べ、御血を飲み、主のあとに付いて行こう。そうすれば必ず笑い合う日が来る。主と共に笑い合う日が。だから、泣きながらでもいい、主のあとについて行こう。


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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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