2025年1月12日 降誕後第二主日
イコン "Our Lady of the Sign."
19世紀、ロシア. |
「あなたは私の愛する子。」 この喜びの言葉は詩篇第 2編から来ています。「あなたは私の子。私は今日、あなたを生んだ。」
イエスさまは洗礼を受け、祈りの中で父の愛とその使命に目覚めました。自覚しました。そして父の愛よって父の子として新しく生まれました。二度目のクリスマスとも言えます。イエスさまの意識のうちで、魂のうちで、新たに神の子が誕生したのです。そして十字架で自分の命を与えるという父の救いの使命を悟り、これからその救いを成就していかれます。
私たち、洗礼を受けた人は誰でも、本質的にではなく恵みによって、神の子です。ですが洗礼の恵みを深く祈るとき、私たちもイエスさまの洗礼の恵みに与かります。私たちの魂のうちに神の子が生まれます。「神の子の誕生」に目覚めます。そして新しく神の子が自分の魂のうちに生まれた喜びと愛と使命に生かされ始めます。
それは自分の魂のうちに生まれたキリストと共に父に祈り、父の愛を聴き、父の愛に目覚めることです。そして父に愛された神の子として日々、何度でも新しく生まれ続けることです。それまで父の愛を知らずに死んでいた魂の内に父との関係が生まれます。キリストと共に父との関係を生き始めるのです。
私は妊娠、出産したことがありませんが、それはマリアのようです。マリアは文字通り神の子を妊娠しました。宿しました。神の子キリストが自分の中に生まれ始めました。マリアは胎内の子と一緒になって神を賛美し、そして息子の愛の使命をも委ねました。マリアにとっては毎日が魂における神の子の誕生であり、毎日が神の命に新しく生まれる喜びの日なのです。
私もあなたもマリアです。神の子となった洗礼の恵みを祈るたびに、魂のうちに神の子が誕生します。そしていつも新しく父の愛を知り、人を愛し始めるのです。
毎朝、毎日、マリアのように、少しでもいいから祈り、主の祈りだけでも祈り、魂に神の子を生んでもらいましよう。そしてキリストと共に父の愛を聴き、父との愛の交わりのうちに一日を過ごしましょう。
そして、私たち教会もマリアです。魂に神の子が生まれる洗礼を共有する共同体です。一人一人の魂に神の子が日々生まれます。だから互いを日々喜び合い、日々赦し合い、日々敬い合いましょう。
「わたしは生まれる。あなたの魂のうちに、神の子として誕生する。わたしと一緒に生きよう。」