2023年12月10日 降臨節第二主日 (B年)
'St. John the Baptist', painting by Jacopo del Casentino and assistant, c. 1330, El Paso Museum of Art |
近くに赤十字病院があるので救急車のサイレンには慣れてしまいました。ですがその音が鳴り始める瞬間には強い意志を感じます。「ウーー! 」「今から人を救いに行く。通常の車両は今すぐ避けなさい。」
「荒れ野で叫ぶ者の声がする。主の道を整え、その道筋を真っ直ぐにせよ。」イザヤ書にも福音書にもあるこの言葉は神さまの強い救いの意志です。「今から私は救いに行く。邪魔な存在はすぐに避けなさい。」
国が滅んだ古代イスラエの民にとってそれは「私が今すぐ行って罪の赦しを与える」という福音でした。
この救いを成就するため、神はイスラエルの民の一人となって来られました。イエスさまです。
そして「この人に道を空けよ」と叫んだのが洗礼者ヨハネです。「罪を告白し、悔い改め、洗礼を受けて神の道を空けよ。」救いの意志のサイレンです。そして隠したり嘘をついたり諦めたりして歪んだしまった心を真っ直ぐにすることで、赦しが到来します。
イエスさまはサイレンを鳴らして急いで来られます。神から遠く離れて病んだ魂のところへ。十字架の地獄をも厭わず急いで来られます。そしてを病んだ魂を自らの内に収容し、自らその病を負い、神の病院へ運んでくださいます。復活の命に導いて下さいます。
イエスさまのサイレンを聴き取り道を空けましょう。自我と罪と失望を退けましょう。そして赦しが来るのを待ちましょう。
「待っていなさい。わたしは今すぐ行く。」