一緒に喜んで欲しい 「さぁ、婚宴においでください」マタイ福音書第22章4節

2023/10/13

喜び 婚宴 招き

2023年10月15日 聖霊降臨後第20主日(特定23)


 「一緒に喜んで欲しい。」それが結婚披露宴に人を招待する親の気持ちです。二人が誓った絆を共に喜び祝って欲しい。これから末長くこの絆を見守って欲しい、と。
 「婚宴の譬え」の王様も喜んで欲しいのです。王様は神様、婚宴は天と地の結婚、つまりイエスさまのうちに到来した神の国を表しています。家来は預言者とイエスさまです。招待を拒んだ客はイスラエルの指導者で神の国を喜ばず、大通りから呼ばれて集められた人々はイエスさまの呼びかけに応えて喜んだ弟子、私たちです。 
 最初の客は親の「喜んで欲しい」という心を想像もせず自分の都合を優先します。喜びを殺します。怒った王様は都を滅ぼします。(これは紀元70年の史実の反映です)
代わりに王様は町中の「善人も悪人も」皆集めて婚宴を一杯にします。悪人も神の国の婚宴に入れてもらったのです。その条件は一つ。神さまと一緒に喜ぶことです。そして喜んで悔い改めることです。  
 この喜びが「礼服」です。喜ばず不満に満たされた客が、自分のために披露宴に来る。これを王は見過ごさず追放します。これは無慈悲なのではありません。読者への真剣な呼びかけ、心からの願いです。「喜んでくれ」。(フィリピ4・4)
神の国に招かれた私たちには選択が迫られます。神と一緒に喜ぶか、自分だけを思って不平不満に終始するか。ともすれば誘惑に負けて「こんな状況なのに喜べるはずがない」と諦めがちです。
 しかしイエスさまは常に喜びを選ぶお方です。神の支配を喜び、悔い改める悪人を喜び、裏切りと死の苦しみを前にしても「わたしの心ではなく、み心を」喜び、そして復活の命を喜び、それを私たちと分かち合うことを喜ばれるお方です。神とは喜びそのものです。
 自分の中には不平不満が詰まっていても、このお方に結ばれるなら、私たちは喜べます。天地の結婚を喜ぶ父と一緒に喜べます。
 イエスさまと一緒に喜びの式服を来て、聖餐式が表す、神の国の結婚披露宴に出かけましょう。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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