休んで知る

2023/07/05

救い 子ども 独り子

 「疲れた者、重荷を負うは誰でも私のもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11:28)

2023年7月9日 聖霊降臨後第6主日(特定9)

Ambrogio Lorenzetti’s Madonna and Child c.1319,
where Jesus is swaddled. Wikimedia Commons.

 この安息の約束。どれだけ多くの人がこれでイエスさまを信じて救われてきたことでしょうか。私もその一人です。 
    ただし、ここでの安息は「父なる神を知る」ためのものです。
 イエスさまは「幼子」のような人々に神の国を伝えてきました。それは障害者や病人や死んだ人(11:5)、また「徴税人や罪人」とされた人です(11:19)。
 「幼子」とは力が弱いけれど純真な人々のことです。幼子のように字が読めない、または障害や職業ゆえに、「律法を守らない罪人」とされる人々です。
 そして反対に「知恵ある者や賢い者」(11:25)は、裕福で旧約律法を若い時から学ぶことができ、それを細かく守ることが神の救いに入る道だと考えていた者たちです。イエスさまはこの者たちは神を知らない、と言うのです。
 「幼子」のような人たちは、律法を守れないからこそ純粋に神を頼ります。その姿を見てイエスさまは喜びにあふれて「父」をほめたたえました。「この人たちにこそ、あなたはご自分を知らされた」と。
 それは実はイエスさま自身がそうだからです。そして彼は他の人には分かり得ないほどの親密な愛の交わりを「父」と持っていました。父とその「独り子」として愛し愛され、祈り祈られ、共に喜び、共に悲しみ、共に働かれました。そしていつも父に招かれ、父のもとに行き、父の内に安息していました。
 だから私たちはイエスさまの内に休むことで父を知ります。祈りながら聖書を読み、読みながら御子の安らぎに入り、それを通して父を知ります・
 疲れた者を休ませる愛の交わり。それが父と子と聖霊です。






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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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