「わたしたちの言葉で神の偉大な業を語っている」使徒言行録第2章11章
2023年5月28日聖霊降臨日(A年)
先週の昇天後主日に祝ったのは、イエスさまが死の力に勝って世界の王座に就き、支配し始めた。そしてこの支配を人に知らせるために弟子たちに聖霊を送る、と約束されたことでした。
そして今週はその聖霊降臨を祝います。炎の舌のような聖霊を受けた弟子たちは外国語で語り、外国人は「わたしたちの言葉で神の偉大な業を語っている」と驚きます。「母語」は自分の心の奥底に関わる表現です。そのとても個人的な領域で「神の業」を感じたのです。
それは「赦しと解放」です。罪が赦され、死の力から解放されて自由になることです。赦しと解放は同じ言葉(アフェシス)です。つまり罪と悪と死はすべて一つの力、神の敵です。人の地獄です。罪とはいっときの悪い行いではなく、死の力に束縛されている状態です。
罪には結果があります。神の愛を忘れて人を傷つけるとき、神は甘やかさず、裁かれます。罰せられます。相手の復讐、償いの責任、人間関係の悪化、また罪の意識や良心の呵責、という罰によって心は「死にます。」
しかし神さまは私たちをそれでも愛されました。そして十字架によって罪の結果を自ら受けて死に、それを滅ぼされました。私たちを赦されました。「もうよい、わたしが責任をとった」と。そして復活することで、解放してくださいました。あなたはもう死の力から解放された。自由だ。生き返れ。
この赦しと解放を弟子たちに「激しい風のように」吹き込んだのが聖霊です。罪と悪と死、その罰と束縛を全て吹き飛ばした神の息です。彼らは聖霊に燃えて、殉教しても、世界の人々に、「赦しと解放」による神の支配を告げて行きました。
私たちの上にも聖霊が降ります。聖餐でぶどう酒に聖霊が降り、「罪の赦しを得させるわたしの新しい契約の血」となるように、神さまは私たちを「聖霊で満たして」くださいます。そう信じて聖餐を行いましょう。
赦しと解放の霊。神の息吹を受けましょう。赦され、解放され、悔い改めましょう。そして目の前の人に神さまの赦しと解放を伝えましょう。その人の心の奥底に触れる、神さまの赦しと解放を、伝えましょう。