心を晴れやかに「子らの名前を彫りつけなさい」 (出エジプト記28:29) 昇天後主日

2021/05/14


礼拝は信徒の頃から大好きだったが、あのときは行けなくなった。色々あって婚約を破棄してしまったときだ。人間関係を断絶してしまった自分は、心を開いて神の前に出られなくなった。罪の責任と良心の呵責に心が死にそうだった。いや、私はあのとき一度死んだのだろう。

このモザイク壁画のように、旧約の大祭司アロンは宝石を身につけていた。そこにはイスラエルの部族名が彫られていた。(もちろん現代の軍事国家ではなく、私たちを含む「神の民」の意味。そして大祭司は罪深い神の民の「代わりに」神殿で神の前に償いの捧げ物を献げ、民のために祈る。

「昇天」して神の次元に入られたイエスさまこそ私たちのために償い、祈り、力付けてくださる本当の大祭司だ。天のコピーである礼拝ではなく、天そのもの、父のみ胸、神存在そのものに入られた。そこで私たちの罪、つまり私たちが犯した人間関係の断絶を修復する償いを献げられた。つまり心が死んだ私たちの死を、父のみ前でご自分が代わりに死んでくださった。代わりに罪の犠牲を献げてくださった。そして復活し、今もご自分の命を献げて生かしてくださる。だから私たちはみ前に出ることができる。

なんという安心か。どれだけ地上の人間関係に失敗したとしても、どれだけ神のみ前で自信がなくても、イエスさまの体に「彫りつられて」私たちは、神のみ前に立てる。

そして大祭司イエスさまは今も、聖餐の中に垣間見る天上で、私たちのために祈っておられる。「今度こそ罪から離れ、愛を選び取れるように。私が送る聖霊の力で伝えられるように。神の愛を伝えられますように。」 安心しよう、あなたの代わりが天にいて、あなたの罪は赦された。


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「大祭司アロン」 1030年代、聖ソフィア大聖堂、ウクライナ

https://www.wikiart.org/es/byzantine-mosaics/the-high-priest-aaron-1030

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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