神の魚に運ばれて 「わたしは感謝の声をあげ」 ヨナ2:10 (A年特定14)

2020/08/09

                          (すみません、録音に失敗してしまいました⤵︎)
「鯨の中で、思い直すヨナ」 Lori A. Smith, 油絵
ずっと謎だった。なぜ海に沈んだヨナが魚の腹の中で、「叫ぶ」のはともかく、「感謝」するのか。(2:10)
だがこの魚は実は、ヨナを喰らう怪物ではない。創造主が遣わした救いの器だ。神が魚に命令して、魚はヨナを飲んで拾い、陰府(よみ)から救った。(1) そして三日三晩かけて陸地へと運んだのだ。
だからヨナは魚の腹で感謝する。「陰府の底から助けを求めると、私の声を聞いてくださった。」(3)
ちょうどペトロが沈んで叫んだ時、主はすぐに声を聞いて手で捕まえたのと似ている。魚は神の手だ。
神は、ご自分から世界の果てまで逃げ、陰府の底まで沈んでいくヨナを、それでも愛し、追いかけ続ける。そして風や海、魚やトウゴマなど、ご自分が造った全ての存在を用いてヨナを導き、救い、変える。神に祈り、感謝し、神の心を行う新しい人間に。
主イエスさまは死に苦しむ人と一致して「陰府に降られた。」(使徒信経) そこで父は聖霊を遣わし、全人類を救い、三日三晩かけて新しい命の陸地まで運び、感謝に溢れた新しい人として復活させた。
創造主は私たちに色んな「聖なる魚」を遣わす。私たちの叫びを聞き、救い、導き、運び、復活させる。だからどんな所でも(魚の腹の中でも!)私たちには、神に感謝する可能性が残っている。
そして神の遣わす魚の腹は、母なる神の胎となり私たちは再び生まれる。新しい人間、感謝の人に。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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