今日の聖書日課は三つとも「恵みの支配」を語ります。「罪と死の中で、あなたは恵みに支配されている」と。
預言者エレミヤは敵に囲まれてもなお、神の恵みの支配に自らを委ねます。「わたしの負けです。主よあなたにお任せします。」マタイもまた、激しい迫害下にある信徒達を励まします。「一羽の雀や、一本の髪の毛の運命さえ握っている神が、あなたを握っていないはずがない。信じよ、恐れるな。キリストを告白し続けるんだ」と。
パウロは、神の教会を迫害し続けた体験から、人間の罪深さを思い知らされました。それでも、全人類の罪を足しても、それを超えて恵みの支配は輝き出すと主張します。「神の恵みの働くとき、どれだけ罪が多くても、人は義とされ、赦される。キリストの十字架の赦しは罪より強い。」
一番最初の人「アダム」に続いた全ての人類は、現代のわたしたちに至るまで、深い罪の力に支配されています。そのまま、恵み無しには必ず罪を犯し、神との絆を断ち切り、命を踏みにじり、霊的にも肉体的にも死の判決を受ける定めです。
しかし一番最後の人、新しく創造された人キリストに続く人々には、その運命は大逆転しています。どれだけアダム的な罪の力が強くても、どれだけ罪人が多くいても、どれだけわたし自身の内に罪が多くあっても、たった一人の主イエスの十字架と復活によって、わたしたちは神の前に無罪とされ、赦される。この罪と死の支配に、恵みの支配は勝ち、あなたを救うのです。