必ず集めるから --「暗い顔をして」 ルカ24:32 (A年復活節第二主日)

2020/04/24


(礼拝休止中の4月26日の朝に、家庭で祈るための音声ファイルです)
 
 新型ウイルスに対して命を守るため、主日礼拝が休止になった。これはただの休養ではない。教会共同体の危機だ。教会は主の言葉と聖餐に集められ、共に祈ることで存在する。もう何十年も、毎主日ごとに神に慰められ、友を慰め合ってきた私たちは今「暗い顔をしている」。一体どうすれば良いのか。
クレオパたちも「暗い顔」をしていた。(ルカ24:32) 民を解放するイスラエルの王のはずだった先生が十字架刑で死んで終わったからだ。「主は復活した」というのはただの婦人たちの「たわ言」だ。(11)
それは希望も絶え、暗い顔をして自宅に帰る途上だった。神の共同体を諦め、この世の病が支配する生活へ、各自の孤独へと帰る道すがらだった。
それと分からない復活のイエスさまが現れ、並んで歩き始め、語り合う。暗記した旧約聖書を、まる自分の言葉のように熱く語られる。「救い主、まことの王は、苦しんで初めて、栄光に入るはずだろ!」と。 
「この人に繋がっていたい」という思いに駆られた二人は「一緒にお泊まりください」と願い、イエスはそうしてパンを裂く姿の内に、ご自身を現された。
疫病の陰で暗い顔をして共同体から個人へと離れていく私たちを、イエスさまは追いかけ、並んで歩き、語りかけてくださる。それと分からずに、だ。「今こそ聖書を読み、祈り合い、共同体として生き残れ。わたしは必ず集めるから。自分を裂いて集めるから。」

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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