人格を通って ---「わたしが門である」ヨハネ10:9 (A年復活節第四主日)

2020/05/02


 魂の羊飼いとして、イエスさまはそう宣言された。羊飼いは囲いを作り、夜はその出入口で眠る。そこに命を置いて羊を敵から守り、また迷い出る羊を止める。そして朝には羊を豊かな牧草地へ導き出す。

 「主はあなたの出ると入るとを守られる」(121:8) あなたが誰かとの人間関係に出て行く時も、また自分に帰る時も、主は門となってあなたを守られる。「三密」対策で誰とも話さない、誰の人格にも触れない孤独な日も、主が門となってあなたを守られる。

 人は誰もがイエスさまに大切に見守られている羊だ。だのに私たちは罪を働く時、相手の人格を敬わず、正しさを押し付け、イエスさまの人格を通らず、力ずくで囲いを破って相手の心に触れようとする。そこには自分以外の人格はなく、しかもそれは相手を「滅ぼす」。「命を豊かに受ける」ためではない。

 相手の人格に入る唯一の門は主イエスの人格だ。主との「あなたとわたし」の関係だ。非人格的な理念や正義や倫理、感情でさえも人を他人と直接結ばない。自我が邪魔をする。唯一命をはって相手を守る神、イエスの人格を通してのみ結ばれる。

 「わたしは今、あなたの目の前で、命を置いて相手を守っている。入るならわたしを通りなさい。」人と人の間には必ず主イエスがおられる。だからこそ今の非常事態では逆に、入った人々を結び合わされる。神の羊である私達を、ご自分の人格で養って下さるのだ。 

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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