新年おめでとうございます。喜びがあるように。
「喜び」を聖書は「福音Good News」と呼ぶ。元来は戦争の勝利や、新皇帝即位の知らせのことだ。日本なら新元号や新天皇即位の知らせ、そしてその喜びを表したパレードだろう。そして「キリスト」とは「王」の意味だから「イエスキリスト」を日本風に言えば「イエス天皇陛下」となろう。
パウロはローマ帝国の新皇帝即位の用語をあえて使う。手紙を送る相手が帝都ローマに住む信徒だからだ。そして冒頭から本当の王、天皇、皇帝は、復活したイエスさまだと告げる。本当にこの国と、天地を支配し、一番大切なお方はイエスだと。私たちの新年の切なる祈りを向けるのも、皇帝でも天皇家でも大統領でもなく、イエスさまだ。
ただ、本当の皇帝イエスは、軍事力や暴力に訴えなかった。本当の天皇イエスは、19万人のパレードで喜ばれなかった。みんなに見捨てられ、逮捕され、茨の冠を被せられ、兵士に唾を吐かれ、叩かれて「偽の皇帝、偽の天皇」と馬鹿にされた。
この方が本当の皇帝・天皇に即位し、その福音Good Newsが広がったのは、殺されて三日後に確かに復活したとき。そのとき皆は知った。降誕日の無力な赤ちゃんは、無力な救い主として民の罪を受けて滅ぼし、復活の命の支配を始められたと。
元旦の祈りを捧げるとき、捧げる相手を知ろう。その方は十字架であなたの罪を受けたお方だ。