明るい人 -- 「希望を持ち続けることができる」  ローマ15:4 (A年降臨節第二主日)

2019/12/08



明るい人

「希望を持ち続けることができる」(ローマ15:4) 降臨節第二主日


 「トンネルの出口が見えない」と暗くなるときがある。私には病気の回復が見えないとき。初期教会には弾圧のとき。あなたにはどんなときか。
 しかしパウロは「希望を持ち続けることができる」と言う。この「希望」はJポップの歌詞の飾り言葉でもなければ、生まれもった性格でもない。
 この希望には根拠がある。それは旧約聖書からイエスを見た時に浮かぶ、一筋の真っ直ぐな線だ。「聖書から忍耐と慰めを学ぶ。」この忍耐は人ではなく、神の忍耐と誠実だ。初めにアブラハムに「地上の氏族は全てあなたによって祝福に入る」と約束した神は、出エジプトと民の不平、王と裏切り、捕囚と帰還、と続く民の失敗をずっと忍耐された。
 そして終わりのとき、神は約束を果たした。ご自分の誠実さを現そうと、ご自身の息子を遣わし、民の裏切りを担わせ、死に至るまでの誠実を示された。どれだけ民が神から離れて不誠実でも、神は私たちに誠実であり続けられた。そして主イエスの中で、私たち人間の神への誠実を成就された。
 長い歴史のトンネルを貫いた神の誠実さが今、私たちの短い人生のトンネルに働く。洗礼によって私たちに始められた祝福を主は必ず成就する。
 だからこそ出口が見えないトンネルにいても、神の誠実に基づく「希望を持ち続けることができる」。そして私たちは賛美を捧げる神の民になる。
 神は私たちを明るい人に変える。


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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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