攻撃の中から --「サウル、サウル、なぜわたしを迫害するのか」使9:4 (C年復活節第三主日)

2019/05/05


攻撃の中から

「サウル、サウル、なぜわたしを迫害するのか」使9:4

   のちに聖人となったサウロは「脅迫と殺意の息吹に満ち」(9:1)キリスト者を攻撃し迫害した。
 こう書くと「自分は迫害も殺人もしない」と思う。だが私は無意識に人や家族や信徒にさえ、また自分自身にも攻撃的に接する時があるのを知っている。理想や正論で攻撃し、相手や自分を追いつめる。私とサウロは違わないと感じる。
 攻撃的なサウロを、復活の主は愛して赦し、名前を呼んで語りかけられた。「サウル、サウル、なぜわたしを迫害するのか。」(9:4) 復活した主は今も生きていて、自分が攻撃している人の中に存在し、その中から自分に語りかけてくる。
 その時からサウロは、主イエスの死と復活の意味を直感的に掴み始めた。「自分の心に巣食うこの攻撃性と暴力性を、このお方が引き受けてくださり十字架で死なれた。しかし復活して今もここに生き、自分の心を癒し、新たに用いられる。」サウロにとって、苦しむ相手の顔はそのまま、主イエスの顔に見えてきただろう。
 私たちが攻撃的になる時、復活の主は語りかけられる。「なぜわたしを攻撃するのか。あなたの心の攻撃性は全部わたしが受けて死に、復活した。だから自分を吐き出し、わたしの霊の息吹を吸い、使わせてくれ。愛の宣教のために。」


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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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