償いの終わり 「多くの人の過ちを担い」 イザヤ53.12 (特定24)

2018/10/21

 「すみませんでしたあぁぁ、、、」土下座して泣き叫ぶ男 の声が救急病院のホールに響く。相手家族は黙って腕を組んだままだ。声の緊迫さが、金でも命でも償い切れない過ちを犯した自覚を表していた。
 イスラエルの償い切れない過ちは、主なる神への裏切りだ。他の神を頼り、貧者を虐げ、国を滅ぼした。多くを死なせ、神の民を異国の捕虜にした。バビロン捕囚の日々がその償いだ。 
 そのバビロンで、イザヤは諦めて妥協した民に語った。「故郷へ帰って国を建て直そう!」だが荒野の旅を厭う民に、彼は歓迎されず、拒絶され、拷問され、不正な裁判で濡れ衣を着せられ、殺され、罪人の一人として葬り去られた。 
 弟子たちさえ思った。先生は道を誤ったから「神の手にかかった。」(53.4)だが死後に衝撃の事実を悟る。先生は実は「多くの人の過ちを担った」主の僕だったのだ。(53.12)民の償い切れない過ちを償おうと自分の命を差し出した。償い切れない過ちを、償い続けたのだ。
 命を受け取った神は宣言する。「わたしの僕があなたの過ちを償った。だからもう赦す。あなたの償いの日々を、もう終わりにしよう。」 
 あなたには償い切れない罪を償う。それが主の僕イザヤの使命を継いだ、主イエスさまだ。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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