不平にさえ聞き入る神 「わたしはイスラエルの人々の不平を聞いた」 出16.12 (特定13)

2018/08/05


   「はぁー。」夫の私に対して不平不満があると、妻はため息をつく。本当は優しく「どうしたの?」と聞き入れたいのだが、それがなかなかできない。耳を閉ざしたくなってしまう。
 それに比べて主なる神の聞く力は無限に憐れみ深く、ご自分に対する不平不満さえ忍耐強く聞く。民はエジプトの奴隷から救い出されて、荒れ野を旅し始めた。しかし民はすぐに食料の乏しさに不安になり、不平をつぶやく。「エジプトでは肉鍋もパンも腹一杯食べられた。奴隷のまま死んだほうがましだった」と。
 だが主は怒らず不平を聞く。祈りの生活では神さまに文句をいっても良いのだ。すると神は丁寧に傾聴して天のパン「マナ」を雨のように降らせる。それは腹を満たすためだけではない。私たちが主を自分たちの神だと知るため、神が共にいる栄光を観つめるためだ。
 父が天から降らせる永遠の命のマナ、それがご聖体の内に輝くイエスさまだ。このお方は「一度食べれば十分、もう来なくてもいい」という便利な物ではない。マナのように一日一日一瞬一瞬、頼って養われて深く知る必要のある「永遠の今」のお方だ。
 私も、主の力に変えられて、不平を聞いては養う人になりたい。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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