巨木のあとに 「倒された幹には、空のすべての鳥が住む」エゼ31.13 (特定6)

2018/06/17

   巨大なレバノン杉。その幹回りと枝ぶりは広く大きく、鳥や動物が宿る。預言者は大国エジプトを巨木に譬え、その属国となって自国を守ろうとするイスラエルを小鳥に譬えた。
「寄らば大樹の陰」で、本能的に私たちは力に頼る。あの力は自分を守ってくれる、と期待して安心する。しかしその「大樹」もまた死に逝く罪人であり、永遠の力は無い。神だけが力の主であり、罪を裁き、人に命を恵む。 
 大木の「心は驕り高ぶった。」だから主なる神は切り倒す。人が驕る力や栄えは裁かれねば、神の救いは来ない。だが裁きの後には新しい命の営みが始まる。「倒された幹には空のすべての鳥が住む。」(31.13)死を超える命だ。
 イエスさまは大木に目を向けない。小さな辛子種に目を向けられる。人の力にではなく、人に力が無くとも、神の国を確実に育てる神の力に目を向ける。目に見える安心ではなく、信仰でしか見えない神の安心に目を注ぐ。
 主イエスは、傲慢という私たちの罪を背負い、十字架の木に掛かかられた。だがこの世の生死がすべてではなかった。復活したのだ。
 切り倒された幹には、小鳥の新しい命が住み始める。主の祭壇の上で、その命に与かろう。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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