罪の安息 --「荒廃の全期間を通じて地は安息を得た」歴下36.21 (大斎節第四主日)

2018/03/11


 「苦しい時の神頼み」ではいけないが、苦しい時私はより純粋に神に泣きつき、悔い改め、依り頼む。苦しみは、神を忘れる罪を心から押し出す。そんな苦しみを聖書は神の怒りと呼ぶ。  

この意味でバビロン捕囚の「荒廃」は「安息」と呼ばれる。安息年とは七年に一度、新しい実りのために働きを止める休耕年のこと。歴代誌は民の歴史は捕囚で終わらず、解放と帰還、神殿礼拝の再建を知るからこそ「荒廃の苦しみは、実は新しい実りのための安息だった」と語る。  

福音書はパンの奇跡を語る。空腹の5千人にパン五つと魚二匹だけとは、万事休す。しかしイエスさまは悪あがきを一切止め、感謝を神に献げて安息することで皆を養い、飢えから解放された。これは後に、磔刑で自分の命を与え尽くし、人々の真のパンになるしるしであった。  

イエスさまは磔刑で荒廃の苦しみを味わい、神に嘆かれた。神を忘れた人類への怒りを受けて苦しむ中、人間の罪の働きを完全に止め、神に頼り切られた。だから荒廃した死は、死から人類を解放する復活のための安息となった。  

イエスさまの中では、どんな荒廃の苦しみも安息となる。罪の働きが止まり、神に帰り、死から解放され、新しい命を実らす安息。神の与える苦しみは、新しい実りのための罪の安息だ。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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