神の筆先 --「わたしの律法を…彼らの心に記す」エレ31.33 (B年大斎節第五主日)

2018/03/18


「私たちは神の筆先。」これを合言葉に、キリシタンたちが厳しい禁教下で信仰を守る姿を、帚木逢生(ははきぎうせい)さんの小説「守教」は描く。

難しい言葉よりこの単純な譬えが、教会や聖像などが破壊されても、日常生活の中で神の国を現す力の源となる。「こんな私でさえ神は信頼して、筆先にしなさった。この信頼に忠実に応えたい」と。 

国が滅びた絶望の中でエレミヤが見た未来もまた、神が再び民を信頼する日だった。「私の律法を…彼らの心に記す。」それは契りを破った民を神が赦し、もう一度新しい契りを結ぶ日だ。それは神が自分の律法、つまり御心を、民に託す日であり、民がそれに忠実に応える日だ。  

その日は主イエスさまの内に成就した。イエスさまは「一粒の麦は死ねば多くの実を結ぶ」(ヨハネ12.25)という使命を父から託され、私たちと同じ弱さを抱える人間となられた。そして父の信頼に忠実に応え「激しい叫び声をあげ、涙を流しながら」磔刑で死んでいった。父はこの忠実さに報いてイエスさまを復活させ、今も生きて信徒のうちに多くの命の実りを結ばれた。イエスさまこそ父に信頼された神の筆先だ。  

そして私たちをも神は信頼し、心の内にイエスさまを与えて神の筆先としてなさった。この信頼への忠誠を、日常の中でどう表わそうか。

このブログを検索

そのほかのメッセージ

ラベル

復活 十字架 神の愛 聖餐式 信仰 祈り 聖霊 イエス 受肉 神の国 三位一体 癒し 赦し アッバ 悔い改め キリスト クリスマス 委ねる 恵み 救い 昇天 羊飼い 自分らしさ アブラハム ゲセマネ 兄弟姉妹 出エジプト 勝利 召命 変容 弱さ 悪霊 教会 洗礼者ヨハネ 神の子 解放 ぶどう園 インマヌエル ゲッセマネ 創造主 喜び 大祭司 奇跡 嫉妬 子ども 宣教 忍耐 悔い改め、荒れ野 悪魔 感謝 放蕩息子 洗礼 神の支配 自由 行い 過ぎ越し 陪餐 Being うつ かみのくに からし種 み名 み心 アダム イスラエル エリヤ ガリラヤ サマリア人 ザアカイ スキャンダル タラントン タリタクム パン裂き ピスティス ペテロ ペトロ マリア マルタ メシア ヤイロ ユダ ユーカリスト ラザロ 不安 不正な管理人 主の祈り 今ここに 仕える 伝道 信頼 偶像 共感 再創造 再臨 十戒 原罪 受容 受難 境界線 天国 奉仕 奉献 婚宴 安息 審き 希望 平安 幸せ 弟子 律法学者 従順 忠誠 憐れみ 懺悔 成就 戒め、山上の説教 承認欲求 招き 新しい創造 最後の晩餐 栄光 楽園 権威 歴史 毒麦の譬え 洗足式 清い 灰の水曜日 無力 父、三位一体 独り子 現存 生きる意味 病い 真理 礼拝 祝福 神の家 神の言葉 神殿 祭司 種蒔き 絶望 聖書 肉体 自己肯定 苦難の僕 裁き 見失った羊 覚悟 親密さ 観想 記憶 誓約 誘惑 誠実 譬え 財産 貧しい人 貧しい人、共有、復活 賜物 賢明さ 躓き 身代金 迫害 追放 重荷 障害 静けさ 食卓 飢え 養い

自己紹介

自分の写真
大津市, 滋賀県, Japan
聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

日本聖公会京都教区 大津聖マリア教会

Wikipedia

検索結果

コメント

名前

メール *

メッセージ *

Tags

QooQ