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うろたえるほどに --「家の中をあちこち歩き回って」王下4.35 (顕現後第五主日)
2018/02/04
母が重い癌だと知った時、私は涙して教会の中庭をあちこち歩き回った。だから親近感の沸く姿だ。
エリシャは「神の人」で奇跡の人。お世話になった女性の息子が急死してしまった。女性は最後の希望を自分にかけに来た。駆けつけた時、体は既に緑色。そこで彼は師匠の真似をする。命を与えたい、とばかりに自分の口を小さな体の口に、目を目に、手を手に。すると体が暖かくなったが、それからどうすればいいか分からない。思案し、心配し、困って歩き回る。そして再び同じようにすると、、、息を吹き返した!
イエスさまは「神の人」の完成者。奇跡は決して癒されたかどうかの結果だけではない。結果に至るまでの姿勢も奇跡のうち。シモンの姑のように、主は最後の希望をかける人に応えようと必死にうろたえ、あちこち歩き回り、穢れを気にせず病人や死者に触れ、嫌われ者に語りかけ、愛を尽くされた。神の肉なる愛情表現だ。
イエスさまは確かに様々な奇跡を起こされた。しかし復活の命という一番大切な奇跡に至るまで、主はうろたえ、あちこち歩き回り、眠れず祈り、絶望までした。そして十字架の上で、愛するあなたの死んだような口と目と手に、ご自分の口と目と手で触れて、新しい命を与えた。
うろたえるほどに、あなたは愛されている。