歌う人に --「涙をことごとく拭われる」黙示録 7.17 (A年諸聖徒日)

2017/11/05

子羊を礼拝する大群衆、ドゥース黙示録1270年、オクスフォード大学、ボドリアン図書館

 墓地に来るとやはり、人間的に思ってしまう。「死んだらどうなるんだろう、死んだあの人はどこで何してるんだろう。寂しい、悲しい、、、。」   
 しかしそんな人間的な悲しみを吹き飛ばすように、黙示録は本当の現実、天で歌う姿を語る。逝去者は墓石で黙ってなんかいない、納骨堂に行儀よく収まってなんかいない。歌っている!!   子羊イエスの血で洗った白い衣をまとい、復活の勝利を表す棕櫚を振り、王座の神と子羊を礼拝して歌っている。「賛美、栄光、知恵、感謝、誉れ、力、威力、天地の全ての勝利と恵みと命はあなたに、アーメン!!」。そして語りかける。「私たちは歌っているのに、なぜあなたは悲しんでいるのだ。一緒に歌おうよ。 もう一度会いたい? 会えるさ。必ず会えるんだから。」  
 彼らは泣いていない。なぜなら「主が彼らの目から涙をことごとく拭われた」から。そして主イエスはあなたの涙も拭われる。手であなたの頬を包み、幾つしみ深くあなたの瞳を見つめ、今まで人知れず苦しみ流した涙に、何も言わずにもらい泣きし、それでも天国で喜び歌うために、あなたの涙をことごと拭われる。  
 「痛い痛いの飛んでいけ」子供をあやす様に、神はあなたを泣く人から、歌う人に変えられる。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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