「仲良きことは美しきかな」と実家の母は書道で書いて玄関に飾ります。家族の仲が良いことが彼女にとって一番大切です。私も、特に入信したからこそ、家族と仲良くしていたいと願います。
それなのに「平和でなく剣を」、「父と子、娘と母、嫁と姑を敵対させるために来た」言うイエスの言葉を聞いたら、母はキリスト教をもっと嫌いになるでしょう。イエスは家族を壊して欲しいのでしょうか。相手の気持ちを無視してまで伝道し、受洗を迫って欲しいのでしょうか。
当然イエスの戒めは「愛し合え」であり、「家族を引き裂け」ではありません。ここで言うのは「優先順位」です。「家族より、また自分自身より、まずわたしとの関係を優先させよ」と。
家族との自然な関係を一旦捨てて、まずイエスに忠誠を誓う。自分自身や自分の理想を握りしめたい自然な欲求をまず捨てて、手放して、イエスに忠誠を誓う。つまり「わたしのために命を失う」そうすれば神はあなたが「かえってそれを得る」ようにして下さる。十字架で自分を失ったイエスが、復活した自分を得たように。
自分はもう守らなくて良い。神が自分を得させて下さる。放った手で受け取った自分で、私たちは初めて義しく家族を愛し始めます。
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自己紹介
- ヨハネ荒木太一
- 大津市, 滋賀県, Japan
- 聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。
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