世に来る天国 「なぜ天を見上げて立っているのか」使1.11 (A年昇天後主日)

2017/05/28


 教会の昔の写真を見るのが少し辛いのは私だけでしょうか。そこには大勢の人がいて、青年も子供も沢山います。聖職は「自分の働きが悪い」と思います。信徒は、懐かしい顔を見つめて天国に思いを馳せるのではないでしょうか。「あの頃が懐かしいなぁ。でも今はもう天国に逝っちゃってここにはいない。寂しいなぁ」と。  
 復活後の弟子たちも少し辛そうに、昇天するイエスさまを見上げていたのだと思います。今までは数多くの目に見える証拠をもって、復活して生きていることを感じさせて下さっていた。なのに今、天国に行ってしまう。この世に残された自分たちは、これからどうやって教会を続けていけば良いのだろう。不安で寂しい。  
 そんな弟子たちに喝を入れようと傍に立ったのが、白い服を着た人、モーセとエリヤです。「いつまで天国を見上げて突っ立って、この世界から目を背けるのか。聖霊を受けて世界を愛し、天国をこの世で実現しなさい。終わりの時イエス様は必ず天国を携えてこの世に来るから」と。  
 天国は死後に行くのではない。天国はこの世に来るものです。「み心が、地にも行われますように」と教会員が祈り、交わり、愛し、赦すときに実現する、全く新しい命の領域です。
 聖霊よ、今この教会に、天国を実現させて下さい。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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