「だれかが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」マタイ5:39 (A年顕現後第七主日)

2017/02/19

「あなたがたは世の光だ」と宣言されたイエスさまは、どう神の光を放って宣教するば良いのかも教えられます。それは力で人を変えるのではありません。逆に、悪人に復讐せず、右頬を打つ人に左頬を差し出し、奪う者に与え、憎い敵を愛し、しまいには敵のために祈る。そうすればあなたがたは神の光を放つ、と。
 「そんな女々しい、、、やられたらやり返せよ。無理なら上手に逃げろよ」と人間の常識は思います。しかしイエスが実現した神の国とは、復讐と暴力と敵意の連鎖を、自分が受け止めることで消滅させる領域です。神の平和です。
 「敵を愛せ」の敵は、自分を迫害する者です。日本にはキリストに対する無理解と無関心が多くあります。キリストの光を見たことのない人が多くいます。だからイエスを信じて人に語り、勧めて人を教会に誘うことは「右の頬を打たれる」ような拒絶体験にもなります。 
 それでもイエスは命じます「左頬を差し出し、光を放て。わたしはそうした。だが復活して神の国を実現し今あなたの横にいる。だからあなたも続くのだ。あなたの国のキリシタンも勇気を絞って光を放ったではないか。」
 殉教も棄教も絶対押し付けてはいけない。しかし殉教や拒絶を受け入れる人の横には、自ら拒絶を受け止めた主が、必ずおられます。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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