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「あなたがたは「然り、然り」「否、否」と言いなさい」マタイ5:37 (A年顕現後第六主日)
2017/02/12
「厳しすぎる、不可能!!」と言いたくなります。嬉しい宣言「幸いあれ」で始まった説教。しかし進むに連れて笑顔は消え、過激な真顔で「律法学者にまさる義」(5.20)を私たち弟子に要求するイエス様がここにおられます。
主イエスは十戒を表面上守るだけでなく、心の内面から守ることを要求します。「殺すな」とは殺人を犯さないだけでない。心の中で燻らせる怒りも殺人と同じ。だから礼拝より先にこじれた関係を和解させよ。「姦淫するな」とは肉体関係だけでない。心の中だけで淫らな思いにふけるのも立派な死刑だ。「偽証するな」とは誓った言葉を守るだけではない。日常生活の全ての言葉を、内面からの忠実な行いで成就させよ。表面上の行いと内面の心を一つにして人に対する神の心を実現せよ、と。
神の御心は、人が体と心を完全に一つにして人を愛し、父の栄光を反射すこと。この世の関係では無理でしょう。しかし実際に神の内なる三位一体の人格関係では既に実現しています。父と子と聖霊の人格関係は全く裏と表、本音と建前の分裂のない、行いと心が完全に一致した信頼関係です。イエスが人間の悪を全て身に受けて死に、復活して実現した信頼関係、これが地上に実現した天の国です。
不可能に思える体と心の完全な一致。イエスは私たちと結ばれ、これを可能にされます。