感謝は大切なのは分かっています。他の宗教や人生相談もそう教えます。自分への恵みを感謝する。不都合の内にも恵みを見出して感謝する。有り難い、自分は恵まれている、と。去った9人の皮膚病人もこの程度の感謝はしたでしょう。「幸運だ」と。
しかしイエスさまは教えます。「何を感謝するか、ではなく、誰に感謝するかだ。」10人の皮膚病人のうち、一人だけが「癒された自分」から「癒して下さったイエス」に戻って来ます。そしてひれ伏して相手に感謝を伝えます。恵まれた自分から恵んだ相手へ、自分からイエスさまへと立ち帰ったのです。この感謝は、自分の利益を讃える賛美ではなく、神を輝かせる賛美です。
感謝する相手、自分の神との関係こそ、苦しみや躓きをも感謝する祈りの秘訣でしょう。「自分には利益がありせん。でも、あなたがこの苦しみの与え主なら、感謝します。私達の人生の中で、あなたが輝くようになるために。」
聖餐式の様にイエスさまは感謝の内に出現します。日常の些細な恵みを感謝し、生活の内にイエスさまが出現して下さいますように。