ホーム
/
その他 /
「あなたの神である主を試してはならない」ルカ4:12 (C年大斎節第一主日)
2016/02/14
いわゆる「問題行動」とは実は愛を試す行動のようです。これは子供も大人も同じです。保育園で一日おりこうだった子が、家に帰った瞬間にわがままで暴れたい放題になります。「良い子」を頑張った分、親の愛情を欲して試します。「悪い子の私もちゃんと愛してくれますか」と。
大人も、愛されている必要があります。「私は意味ある存在、神に愛された大事な子ども」この確信が揺らぐ時、大人も人を試したくなります。「こっちを向いて」と問題行動を起こし、相手の反応を愛の代替品として欲します。
イエスさまも命がけの使命を始める時、これがナマの人間の不安でしょうか、「問題行動」を起こして神の反応を見たいと欲されました。神殿の屋根から飛び降りても、もし私が神の子なら神は私を守って当然だろ、と。洗礼時の「お前はわたしの愛する子」という宣言を試してその証拠が見たい、と欲されたのです。
しかし飛び降りる直前に「これは自分と神との信頼関係を断ち切ろうとする悪魔だ」と気づき、神の言葉で悪魔に対抗されました。「あなたの神である主を、試してはいけない」と。
試さないで信じる。イエスさまは神への絶対の信頼を貫きました。そして神を試して「愛しているなら十字架から助けて」と願わず、無力に死ぬのを良しとされました。無力さ、それこそ人を罪と死から救う道だったのです。