「石の板を携えて」出エジプト34:4 (元旦,主イエス命名日)

2016/01/01

 救主降誕2016が祝福の年となります様に。
 高校生の頃「サラリーマンは退屈だ」と思っていました。目にする父の姿は家と駅を往復するだけだったからでしょう。生意気に「お父さん、毎日同じことして楽しい?」と聞くと叱られたのを思い出します。「あほか。昨日より今日、今日より明日、少しでも新しいことをやろうとするから、やってられるんやないか。」
 新しさは人を生かします。これは仕事だけでなく人間関係も同じ。「変わらない友情、永遠の愛」と言いますが、実際に変わらず人を愛そうとすると、日々、過去の古傷や恨みを赦し、新しい関係を造り出し続ける力が必要です。
 過去を赦して新しい関係を造る。この困難もな事を全能の力で成し遂げるのが、聖書の神、慈しみの主です。今日の旧約聖書は民が契約を裏切って他の神々に走り、十戒の契約が刻まれた石板が砕かれた後の場面です。関係が裏切られた、浮気された。人にはもう再生不可能でしょう。しかしここで神は罪を赦して、もう一度民との契約を新しく結び直そうとします。そしてもう一度石板に十戒を刻んでもらうため、モーセは新しい石板を携えて神の山に登ります。 
 最終的に、この後も裏切り続ける民を赦し続け、神はイエスの内に私達との「新しい契約」を刻まれました。主イエスと結ばれて私たちは、完全な新しさに生きることが赦されたのです。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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