「石の水がめが六つ」ヨハネ2:6 (顕現後第二主日)

2016/01/17

 その量は117リットル、ワインの瓶で156本、酒樽なら一番大きい四斗樽一つ半。以前ある牧師先生の結婚式で鏡開きがあり、檜の升で一つの酒樽からお酒が振舞われました。振舞っても振舞っても尽きそうにありません。実際にはほぼ「無限」に感じられました。(自分の時には「絶対飲みきれないから、お金が無駄になりますよ」と言われてやめました。)そんな量ですから樽の中は二級酒か一級酒が普通です。
 しかしイエスさまの婚宴の奇跡には一切ケチなところはありません。驚く程の「良い酒」です。「大吟醸の鏡割り」とでもいうところでしょうか。量、質共に限りない贅沢な祝福です。
 この祝福の無限の贅沢さこそ、イエスさまが伝える神の命の本質です。人間の力や期待の限度をはるかに超えて、神は命を与えて祝福されます。神は私達に罪と死に縛られて暗い顔をし続けて欲しくないのです。自分らしく人間らしく生き生きと、泣いて笑って愛し愛され、今ここに与えられた命を喜び祝って欲しい。この命の祝いが罪や死に台無しにされないために、イエスさまは十字架で罪と死を受け、無限の命に復活して、今も祝福し続けられているのです。
 さあ私達も、聖餐の杯を縁まで満たし、神の無限の贅沢さを喜び祝いましょう。聖餐のように命を喜び祝う、そのためにこそ神は私達を体持ってこの世に生まれさせられたのですから。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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