家族が集まる機会です。最初はいいけど段々みんなワガママ言いたい放題、したい放題で、「もう早く帰りたい、、、」なんてことにもなりえます。「聖家族」なんて祈るけど現実の家族はそんなに綺麗じゃない。親が子に思いを押し付けたり、子は親に反発したり、兄弟は違いを認め合えなかったり、、、。
本当の「聖家族」はどうだったか、というと実はまったく、俗から離れた「聖」ではありませんでした。親族行事の神殿参りの帰り、12歳になった息子は神殿に単独行動に出て、一人神殿に残ります。それを知らずに1日分歩いた両親はもう顔面蒼白でイエスを探し回ります。どこ? どこ? 親族の誰ともいない。そして神殿まで帰って探せば、なにやら学者たちと聖書論議をしている。
マリアは怒りをぶつけます。「なんちゅうことしてくれるんや!あんた、親にどれだけ心配かけたか分かってんの!もうっ!」 怒りまくる若いママの鼻息が聞こえてきそうです。そして息子の答えがまた反抗的。「わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だ。」その場で平手打ちにしなかったのは、マリアが思い出したからでしょう。この子は処女のまま聖霊によって宿した神の子だったと。
そして18年後イエスが同じエルサレムで殺されて復活し、天へと昇った時、マリアはこの出来事と言葉を思い出したでしょう。「ああ、やっぱりあの子は神の子で、本当に天の父の家に帰ったんだ」と。
「なんでうちの家族はいつも、、、」という家族の現実の只中で神の子は生まれ、育ち、暮らしました。それはわたしたちが家族の現実の中でイエスに出会い、イエスと共に天の父へと導かれていくためです。
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自己紹介
- ヨハネ荒木太一
- 大津市, 滋賀県, Japan
- 聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。
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