「罪の赦しを得させるため」マルコ福音書第1章4節 (B年降臨節第二主日) 

2014/12/07


罪の赦しを得させるため
 
 クリスマスは印(しるし)を祝います。飼い葉桶のあの赤ちゃんは、目に見えない神の、目に見える印です。イエスさまの人生全体が「わたしはお前たちを愛している」という神の思いの生きた印です。
 このイエス様という神の印、神の道を整えるため、洗礼者ヨハネは荒れ野で洗礼を宣言しました。水も食べ物なく、ただ神に頼らざるを得ない所。人間の力がゼロになる所で、神の新しい現実が始まります。
 ヨハネは宣言しました。説得したり強制したりしませんでした。「この洗礼によって、あなたは罪の赦しに入る、あなたは赦される」。この宣言を聞いた人は自ら進んで「あぁ赦されたい、新しくなりたい」と願い出たのです。赦しとは、解放と自由です。神から、本当の幸せと本当の愛から、自分を遠ざける全ての悪い力からの解放です。「悪い力から解放されよ、わたしの力で新しくなれ」と神さまに祝福され、変えられ、実際に新しくなったのです。
 ヨハネは洗礼を赦しの印として宣言しました。この印を受けた者は、神の赦しを実際に受けます。そしてその後に、悔い改めの人生が始まるのです。まず恵みを受け、そして聖霊の力によって悔い改めていく。人間が正しい行いと選択をした印として、洗礼を受けたのではありません。あくまでも洗礼は神が恵みを与える印、道具、器です。洗礼は人間の行いでなく、神の行いを示す印。だからこそ古代から教会は、何もできない幼児にも洗礼を授けるのです。
 神さまの印は、その印に触れた者に実際に恵みをもたらします。この意味でイエス様の命こそ神の本当の印であり、実際に恵みをもたらす道具です。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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