とても人間的なペテロの言葉です。私達は人生で沢山の「そんなことがあってはならない」に出くわします。そしてその時ごとに「自分は間違っていたのか」とショックを受け、躓き、思い出したかのように祈り始め、そして十字架の道を歩まれるイエス様の後ろ姿を垣間みます。
一番弟子ペテロは直前に「あなたはメシア、生ける神の子」とイエスさまへの信仰を立派に告白したのです。しかし師匠であるイエスさまが告白し始められた「十字架の道」つまり「指導者達に苦しみを受けて殺され、(復活させられる)」という運命は「あってはならないこと」です。常識では、それは世を救うのに失敗した敗者の運命であって、決して成功した勝者の姿ではありません。絶対受け入れられません。
そんなペテロをイエス様は「サタンよ私の後ろに引き下がれ。お前は躓きの石だ。自分の十字架を背負ってわたしの後ろについて来い」と厳しく振り払います。ペテロは、それまでの自分中心の価値基準を全てひっくり返され、ただイエス様の後ろをついて行くしかありませんでした。しかしそれがイエスさまから離れない唯一の道だったのです。復活への唯一の道でした。
イエスさまの弟子として生きるとは、彼を価値基準の先頭に据える決心の日々です。自ら苦しみ死んで復活し、今ここに生きておられるイエスさま。このお方こそあなたの人生の価値を決め、導き、最後の日には必ずあなたの苦しみに報いて下さるからです。