彼はわたしたちすべての父です
彼とは、創世記の族長アブラハムのことです。
彼は神の約束をひたすら信じました。75歳で「わたしが示す地に行きなさい、あなたを大いなる国民にする」という約束だけを信じて旅に出ました。また99歳で、不妊の妻との間に子が生まれて子孫は星のように増える、「あなたを多くの民の父とする」という約束をも信じました。
パウロによると、これは割礼の律法が与えられる前、どんな善い行いやどんな敬虔な信仰心より先に、神から一方的に与えられた約束でした。神の誓約、契約です。決して敬虔な信仰者だったから報われたのではありません。アブラハムはただ受けた神の約束を信じたのです。「それが彼の義と認められた」とは「神が必ず愛し抜くと契約した相手、神の家族になった」ということ。
イエスを復活させた神を信じる人は、このアブラハムの子となります。イスラエルの歴史を通して、神が愛し抜いてきた、神の民族、神の家族の一員となるのです。アブラハムが信じた神は、その民族、その家族を愛し抜きました。そして後に、その民の罪を赦すため、一人息子の死を耐え、再び人間を新しくして自分との関係に迎えようと、御子を復活させられたのです。
だから信仰者は孤独じゃない。父アブラハムの子孫、主の愛する民、キリストの家族の一員です。この約束を信じる者は実際にそうなる。神は「不信心な者を義とされる」お方なのだから。