「神はこの力をキリストに働かせて」 エフェソ1.20 (C年諸聖徒日)

2013/11/03

 今日の墓地礼拝では死の眠りについた愛する人達との「聖徒の交わり」を祈ります。思い出す悲しみや寂しさも、祈りに織り交ぜます。
 今日はまた、日常生活では忘れている「わたしもいずれは死ぬんだ」という事実を受け容れる日でもあります。普通は「死はまだ遠い」と思っています。しかし本当は、死は生きるすぐ裏側にあり、一瞬一瞬、神さまが紙一重で生かして下さっているにすぎません。
 死に至る病を宣告されたなら「まさか、なんで!」とショックを受け、「死にたくない」と拒否し、それでもなんとか運命を受け容れて「残された日々を悔いなく生きよう」と思うのが、大切な「死の受容」のプロセスです。
 しかしキリスト信仰はここで終わりません。死の受容が最終的な「幸せ」ではない。死と病の力は、キリストの敵、神の敵です。だから神さまは人が死ぬ時には悲しみます。死から、新しい命に救ってあげたい、と思われます。
 その手段がキリストの復活でした。十字架で死んだ主を復活させた力、命に満ち溢れる力が今度はわたしたちにも働いて、新しい命が与えられる。そして死の悲しみは克服される。だからその日まで、人は安らかに眠っているだけなのです。死が最後ではないのです。


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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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