神と和解させていただきなさい (2コリ5:18) 大斎節第四主日

2013/03/10

 

  

       「放蕩息子」Charalambos Epaminonda, アクリル画、キプレス

 「和解」と聞くと「じゃあ、わたしは喧嘩していたのかな?」と思わせられる、元々は夫婦の復縁を意味した言葉です。

 人間同士では「和解なんて無理!!」となることが生じます。自分には正しい論理や正義がある。自分の思いや正しさを聴いてほしい。そして同じように相手もそう思っている。互いに謝ってほしい、と思い、互いに相手を心では軽蔑したり批難しあっている。そして互いに謝らないから、不毛な関係に心が死んでいく、、、。

 このような、人間的には和解不可能な関係のうちにある人達に、パウロは「まず、神と和解させていただきなさい」と語ります。放蕩息子が「父の家に帰ろう」と独白したように、です。

 人間関係に和解が成らないのは、そこの罪が消え去らないからです。互いの心に、または互い超えて罪が関係を支配しているからです。罪を認めて本当に償うことができないからです。

 しかし、神と人との関係は違います。人の罪を、神ご自身が償って完全に赦すからです。十字架につけられたイエスのうちに、あなたの罪は赦され、神の命に帰るための障害物は取り除かれます。不毛な罪のスパイラルに沈むとも、信じる者に神は新しい神との関係を与えてくださる。ですから、神との「和解」とは単なる復縁ではなく、全く新しい命の可能性です。あなたを神は「新しい人」に成してくださるのです。


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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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