愛の心 (フィリピ1:8) 降臨節第2主日 

2012/12/09


「祈る聖母マリア」13世紀ロシア、ヤロスラビ救主大聖堂

 北風に体と心がこわばる12月、心は「喜び」からはほど遠いと。「神が人となる」クリスマス、それがどう私達を慰め、救うのか。祈りのうちに、神様どうか教えてください、と。
 そんな冷えた心とは逆に、使徒パウロの心はいつも温かいですね。この「愛の心」という言葉、原語は「はらわた、五臓六腑」という意味です。古代の人は、愛情は内蔵から沸いてくる、と理解したのです。現代医学とはだいぶ違うけれど、直感的には正しい表現ですよね。内蔵のように、愛情は体で感じ、温かく、相手が痛めば自分も痛み、自分の一部のように大切に想う。また、頭で考える損得に反して、愛情は自分を内側から駆り立てもします。
 生身の人間となったイエス様も、そんな「愛情のはらわた」をもって弟子達を愛されました。パウロもイエス様と一緒に、同じ「はらわた」から、信徒一人一人を想っているのです。
 神はイエス様の「愛のはらわた」の内に、私たちを想っています。だから私たちはどんな時も、肉となった神様の心の内に存在しています。その中で私達は、神と交わり、愛に触れ、愛に触れてもらえる。神の愛の内にいつも抱いてもらえる。そうした交わりから、冷えた私の心も、愛を、心のなかに抱きはじめるのです。

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聖公会京都教区の司祭です。大津聖マリア教会勤務です。うつ当事者として自助グループ「マ・カタリーナ」の世話人もしています。リンクをご覧ください。

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